2022


★城ヶ島実習@都立高校 2022.11

 

 高校時代の恩師から依頼があり,都心にある某都立高校1年生向けの城ヶ島実習をお手伝いする機会がありました.朝7時前に高校集合ということで朝食に難儀しましたが(特に野外に行く日の朝食は大事です),高校からバスに揺られること約2時間,久々(といっても1年ぶり)に城ヶ島に上陸しました.訳あって,週に2回も.

 城ヶ島は地学ネタの宝庫です.しかも教科書で見るような濃いネタに溢れています.ただし今回は教員陣が数多の解説をすることはなく,生徒さんは配布された解説付きのしおりに,適宜現地での簡単な説明や現地で得た情報を書き込んでいました.特にクリノメーターによる地層の走向・傾斜は城ヶ島内の各地点でほぼ全員がトライしていたかと.中には教科書を持参している人もいました.教科書の写真どおりの地層や堆積構造もあったでしょうが,変化に富む姿を楽しめてもいたのかなという印象です.「暗記」と「理解」は別物であるということも(地学は決して暗記科目ではありません).
 ふとしたときの高校生たちの雑談の話題はあまりついていけるものではないと感じましたが,地層への反応や教員への質問はとても良く,幅広い分野への”程良い”好奇心をもっている姿が頼もしく見えました.知識の裾野を広げつつ,地学でなくとも構いませんので,深堀りしたいネタをじっくり大学で磨いてほしいと願う2日間でした.

2016年春に城ヶ島(灘ヶ崎方面)を訪ねたときの写真より.  この後,現地の"生徒さん"(写真右)と地層観察に向かいました
2016年春に城ヶ島(灘ヶ崎方面)を訪ねたときの写真より.  この後,現地の"生徒さん"(写真右)と地層観察に向かいました

★日本山の科学会シンポジウム 2022.10

 

 やや大袈裟ながら,初心に帰ったような一日でした.

 10月末の土曜に,日本山の科学会主催の一般公開シンポジウムに出席しました.会場は新潟駅前にある新潟大学の駅南キャンパス(ときめいと)で,本当に駅前でした(でも工事中の構内をぐるっと回ってしまった…).『平野の土砂は山からどのようにやって来るか?-積雪流域の自然災害-』というタイトルで,5つのご講演を拝聴したのですが,流域で自然現象を捉える重要性と学術的な面白さに終始興奮?しました.コロナ禍でお会いできていなかった先生方にご挨拶できたのも大変嬉しかったです.
 超混雑のエキナカで新潟土産を買うことは叶いませんでしたが,まさにお金で買えない感覚を得て,充実した日帰り出張となりました.

新潟は早くも秋っぽいなぁと思ったのも束の間,
東京(というか多摩)にも紅葉はいそいそとやってきていました…


★法政地理学会例会 2022.10

 

 法政地理学会主催の野外巡検に参加してきました.新百合ヶ丘~町田~橋本~多摩センターと大変馴染みの地域で,馴染みが故に捉えられなかった視点や考え方に気がつくことのできた一日でした.

 久しく訪ねていなかった地域でしたので商店の変わりように戸惑ったり,やはり久々の小田急線は車両が随分オシャレになっていて驚いたり.しかしこれもまた刺激でした.
 K先生による人文地理学的(特に都市地理学)な案内が中心で,そこにI先生による経済的な側面と,時折宇津川が地形の話を少々という構成となりました.全体の軸となったのは「リニア計画」です.実際に工事の進む現場や周辺の土地利用について考えました.リニアに限らず,交通網の延伸はよく計画されるものの,都市域の今後の発展とはいかに,という議論が多摩都市モノレールの終着駅下で繰り広げられたように思います(ちょっと白熱させてしまいました).
 「(これ以上の)発展」ではなく「継続」する都市のかたちを考えた一日でもありました.


★Stow博士講演会@学芸大 2022.10

 

 修士生の頃に愛読していた図書のひとつに『Sedimentary Rocks』というものがありました.書名の通り,堆積岩の露頭写真がふんだんに(カラーで)掲載され,シンプルにまとめられた堆積相のモデルも並んだ,堆積岩のガイドブックのような一冊です.まだ堆積学の基礎を英語の教科書で学ぶレベルだった私は,この図書で写真を楽しみつつ,堆積学の専門用語を覚えようとしていました.

 大変お世話になったこの図書の著者であるD.Stow博士が,この秋にJSPS招聘研究員として来日していたと知って驚きました.ありがたいことに講演会が行われると知り,先日いそいそと参加してきました.

 会場には特に学生さんが多く集まっていました.講演会は18時スタートの2本立てで,まずはじめにOceanに関する地球史と概説が講義され,若干の休憩を挟んだ後は,博士がこれまで携わってきた海洋地質の研究事例が(研究歴とともに)紹介されました.終始穏やかな口調で,かなりかみ砕いて講義いただいていた印象です.
 講演後,少しだけマンツーマンでお話する機会が得られました.大変感激した夜の学びの場となりました.


添書:講演会後,かつての愛読書(上記参照)には,Stow博士のサインが加わりました.躊躇う気持ちもあったものの,持参してよかったです.

 

 

 


★高松出張 2022.9

 

 秋学期が始まって間もなく,香川大での日本地理学会秋季学術大会に出席しました.これまで秋の大会はなかなか行く機会に恵まれず,今回も諦めていたのですが,委員会招集もあって慌ただしく出席を決めました.ちょうど3連休でしたので飛行機も宿も手配がなかなか大変でしたが,もっとヒヤヒヤしたのは当日でした.

 朝7時台の飛行機でしたが,羽田空港に着くと保安検査場の前には長蛇の列が.しかも高松便は「視界不良のため羽田に引き返すこともある条件付き運航」になっていたので,無理かな,と半ば諦めつつも,結局無事に高松におりたつことができました.思えば四国上陸は2015年の高知出張以来でした.

 対面はいいな,を静岡での学会に続けて強く感じ,対面こそのディスカッションと思考を楽しみました.久方ぶりにお世話になった先生方,先輩方にご挨拶できたことも非常に嬉しくなりました.前職場の学生さん達もたくましくなっていたかも(卒論・修論頑張れ).

 帰りもあわや台風15号で飛行機が…を危惧していましたが(一方で静岡・安倍川の水位変化も頻繁にチェックしつつ)これまた無事に帰京できました.次はもう少し自主巡検なども楽しめるとよいなと思います(右の写真で我慢).


★2022夏の思い出 2022.9

 

 ありがたくも,例年に近い夏休みでした.
 今年度は助成金のおかげで常磐地域を対象とした研究に特に力を入れられることもあって現地調査も無事に行くことができましたし,他にも日帰り含めて野外を行き来できました.

 毎年お馴染みのT大での非常勤は,若干の行動制限がある中,講師陣には慣れ親しんだ羽村で実習を行うことになり,猛暑の中,ひと際暑々しい河原を含めて無事に終えました(コミュニティバス・はむらんに大変感謝です).

 8月末には静岡での日本第四紀学会:久々の対面での学会に出席し,やはり対面はよい,を実感しました.2020年に共著で書いた論文が論文賞を受賞し,授賞式では(終了時刻が差し迫る中)第二著者である宇津川にもマイクが手渡され大変恐縮しました(一言のお礼のみでスピーチは謹んで辞退させていただきました……).その受賞した論文の舞台である安倍川上流域にも出向きました.今回は複数名の方々に露頭を案内する機会もあり,刺激になりました.

 先週から秋学期が始まりました.まだ少し汗ばむ時間帯もありますが,風涼しく,日の入りも随分早くなったように思います.法政大での初めての秋学期を楽しみつつ,精進したい今日この頃です.


★春学期終了間近 2022.7

 

 瞬く間に6月が終わり,7月も駆け抜けていきそうです.活動をこまめに記録しておかないと怖いくらい,時が経つのが早いです.

 諸々に気をつけながらのディベートやディスカッションもこなしつつ,無事に前期(本務先では「春学期」といいますが)の14回の授業が終わり,今週からは通信教育部の夏季スクーリングが始まりました.午後に2コマ×6日間という日程です.少しこだわった地誌学の講義となりますが,飛ばしすぎず熱くなりすぎず(ただでさえ暑いのに)少しでも楽しんでもらえればと思っています.

 日中,元気な小学生の姿を見かけるようになりました.夏ですね.宇津川の夏休みももう目の前です.

 

添書:無事に集中講義を終えました.濃い一週間でした.


★共同研究の成果をふたつ 2022.5

 

 とてもありがたいことに,2021年度に共同研究の成果がふたつ,それぞれ論説と研究報告として学会誌に掲載されました.

 

原 将也・横山貴史・宇津川喬子・伊藤徹哉・島津 弘 2022. 宮城県名取川下流域における堤外地空間の利用と管理. 地域研究 61: 1-14(PDFはまだ公開されていません)

 

白井正明・宇津川喬子 2022. 2019年台風19号に伴う出水により多摩川中流域の高水敷に堆積した砂礫の分布. 堆積学研究 80: 11-25(PDFはまだ公開されていません.参照はこちら


★大阪市スクーリング 2022.5

 

 着任して早ふた月弱.通信教育部の出張でスクーリング講義がありました.市ヶ谷で授業を終えたその足で東京駅へ.夕方に大阪入りしました.大阪は3年ぶりでした(あの時はまだコロナ禍前だったのだなと考えると本当にあっという間です).

 会議室で3日間,11コマ+試験を担当しました.”自然地理学の概説”に”宇津川の興味・関心”を詰め込んだような内容”で用意したのですが,幸いにもリアクションペーパーには嬉しいコメントが多かったため心の底から安堵しました.コメントには面白い+新しい着眼点も多々あり(それこそ夜まで)とても勉強になった濃い3日間でした.
 ちなみに.やや恥ずかしいこととは思いつつ.授業初日,会場の場所は大体は把握していたのですが,どうにもうまく見つけることができませんでした.少々困ってつい近くにいた警備員?の方に尋ねてしまったり.「わからない」と(本場の)関西弁で答えられるもその場でスマホで調べて下さって,本当にありがとうございました.


★津軽・男鹿下見調査に同行 2022.4

 

 4月最終週に大学の後輩の卒論下見調査に同行させてもらいました.本当は初日から同行したかったのですが,さすがにそういうわけにもいかず,授業を終えてから北の地を目指しました.都心と東北の行き来でしたので,服装が何より困りました(けど,厚手を持って行って助かった気温でした).津軽半島は初めてで,面白そうだけどなかなか難しそうな地層に対面し,良い刺激をもらいました.
 日本海沿いを車で南下しながら思いがけずとても嬉しい出逢いがありました.深浦町にある「北金ヶ沢の大イチョウ」です(右写真).以前,”日本の大樹”の特集番組をNHKで見ていた際に取り上げられていた日本一の大イチョウでした.周りの風景が似ているなぁと思っていたらまさかの本物.まだ新芽でしたが,見事な枝ぶりを見上げることが叶いました.予定外でしたが,しばし足を止めさせてもらいました(皆さんありがとうございました).

 卒論でお世話になった能代の街は残念ながら雨の中,車で駆け抜けてしまいました.約6年ぶりの大潟村,大変懐かしかったです.

 男鹿半島北岸の安田海岸には学部生の頃から何度も鍛えられてきました.風も穏やかな暖かい日和の中,ゆっくり観察することができ,良い復習になりました.いつかまたぜひ.

 


★法政大学地理学科に着任いたしました 2022.4

 

 2022年4月1日付けで法政大学文学部地理学科の助教に着任いたしました.先日の立正大での卒業式は私にとっても”卒業”だったわけで,学生さんに十分な挨拶はできないままでしたが,首都圏内なのでまたいつか会える機会もあるかなとは思っています.熊谷キャンパスでは建物間の水平移動がメインでしたが,ここ市ヶ谷キャンパスではトレードマーク?にもなっているボナソワードタワー(BT)での鉛直移動が肝になってきそうです(研究室は靖国通り沿いの一口坂校舎にありますので,BTは授業と事務室目的です).事務室は12F,どれくらい階段で足腰を鍛えられるか…いや,無理はできません.

 在学生にはZoomで,新入生には対面で自己紹介をする機会がありました.授業で改めて宇津川の実態を知ってもらえればと思います. 

 法政大”1年生”として,また頑張っていきます.

 


★卒業式 2022.3

 

 無事に対面で実施することができて本当によかったと思います.昨日はよく冷えて,大学正面入口にある綻びかけた枝垂れ桜にもうっすら雪の積もった熊谷でした.一夜明けて,程々の晴天の下,袴とスーツが眩しいです.

 今年の卒業学年は,着任して最初に担当した1年生ということもあって感慨も一入です(ゼミ指導をしたわけではないけれど).コロナ禍も挟みつつ,あっという間に卒業していったな,と思います.大学は教育機関ではありますが,高等学校までとは異なります.そうわかってはいても,いざ巣立ちを目の前にすると,この時期独特の思いを抱いてしまいます.

 卒業生の皆さん,ご卒業おめでとうございます.どうか元気で.またいつかどこかで顔をあわせられるとよいなと思っています.

 


★渡邊眞紀子教授最終講義 2022.3

 

 学部生,院生時代は勿論,特任研究員として半年間大変お世話になった都立大(当時:首都大)の渡邊教授の最終講義に出席しました.まん防がギリギリまで明けず,残念ながらパーティーは開催されませんでしたが,講義前に懇談会の場を設けていただき,先生や懐かしい方々と言葉を交わすことができました.

 『学際融合と文理融合に思うこと』というタイトルで行われた講義では,これまでの研究内容を振り替えるというよりも,何故こうした研究に携わってきたのかという経緯が,先生らしいユーモア溢れる言葉で紹介されました.土壌地理学を専門とされた理由として「指導教員に似た」と説明があった際,思わず宇津川は自身の(元)指導教員の方を見てしまいました(指導教員は別ですが,同じく出席していた後輩も同じようなことをしたとか).充実の2時間越えでした.
 出席者には都立大地理学教室の紀要(通称:GR)が配布されました.毎年の刊行ですが,今回は退官記念号として渡邊先生のお写真や経歴等も掲載されました.このGRに,羽村市史第4部会の皆さんと1本論文を寄せることができました.とてもありがたかったです.

 

Shirai, M., Takaoka, S., Akasaka, I., Utsugawa, T. and Kato, S. 2022. Disturbance and consequent changes of riverbed environments  by Typhoon Hagibis flood in 2019 at the middle reaches of the Tama River, central Japan. Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University 57: 39-746(PDFはこちら

 

 渡邊先生,大変お世話になりました.お声かけいただいた数々の名言,大切にいたします(出典を明らかにしたうえで,時折,学生にも伝えています).どうかお元気で.


★卒業研究発表大会への思い 2022.2

 

 自分自身が学生の頃から,卒業論文の中間/最終発表会が好きでした.たとえ粗削りでも,様々な切り口で地理学を捉えた研究テーマが勢ぞろいしており,何度「そんなテーマがあるのか!面白い!」と思ったかしれません.また,様々な分野が集まりうる地理学教室だからこそ,教員陣からの質問も視点が多岐にわたり大変勉強になります.

 現在,私自身は学生の指導に直接携わっているわけではありませんが,立正大に着任していよいよ系統地理学的な考え方も深めていった中で,学生の興味関心が色濃く反映された卒業研究のテーマはどれもワクワクします.昨年度に引き続き,今年度もMediaDEPO(予め録音したプレゼンテーション動画をアップロード)とMicorosoftTeams(質疑応答兼ポスター会場)を用いてのオンライン開催となりました.淋しい気持ちもありましたが,今回も楽しみました.けれど,やはり直接発表を聞きたかったなとは強く思います.

 卒研大会が終わると,巣立ちの時はもうすぐそこなのですね(今年度は特に感慨深い…).

 


★寄居巡検 2022.1

 

 いつもと異なる新年の幕開けを迎えて気持ちがうまく切り替わらずとも刻々と日は流れていきます.1月中に調査に行くことは叶いませんでしたが,授業で寄居周辺で巡検をする機会がありました.熊谷に着任して4年目,ようやく念願の寄居をゆっくり訪ねられました(学生には,何故宇津川が巡検先に寄居を選んだのかを考えてみて,と問いかけました).
 寄居駅を出発してまずは駅南側を流れる荒川の玉淀河原へ.川の地形や土地利用について自分の目で見て気がついたことを発表してもらいました.河床には”牛群地形”と呼ばれる流路方向に削り残されたかたちで露出した基盤岩が少し見えつつも,基盤岩の侵食を防ぐためのアスファルトがやや大掛かりに広がっていました(残念).対岸(右岸側)の絶壁(基盤岩)の上には鉢形城址があり,左岸側の同じ高さには川の絶景が見渡せるようにし設えられた料亭や旅館が並んでいました.関東山地を抜けるまであと一歩,という荒川の姿であり,その地形をうまくいかした土地利用を見てもらいました.
 荒川沿いに下流方向へ歩きながら玉淀駅へ.東武東上線でひと駅隣の鉢形駅まで移動しました(ちょうど線路が荒川を渡ります.電車に乗ったからこそ得られる”目の高さ”で川の地形を見てもらうための電車移動です.楽をするためではありません,多分).
 鉢形駅からは学生に地形図を見ながら埼玉県立川の博物館(通称:川博)まで道案内してもらいました.見どころ多き川博です.時間の許す限りの自由見学にしました.企画展では自然災害に関する石碑について扱われており,剥ぎ取り標本もあってとても楽しめました.屋外では荒川大模型で荒川の地形を解説,勿論寄居を起点とする荒川扇状地の話もして熊谷キャンパスのある地形との比較もしてもらいました.なかなかの寒さでしたが,目の前には荒川の礫河原がありましたので簡単に岩石のおさらいをして鉢形駅へと戻りました.
 慌ただしい巡検になってしまいましたが,もう少し暖かい時期に,コロナも気にせずにゆっくり行ないたいと改めて感じました.

★「地理学読図演習(2)」野外踏査 2022.12

 

 本務先の3・4年生を対象とした実習科目「地理学読図演習(2)」では,授業の後半に日帰り野外踏査を組み入れています.所属するゼミごとにグループをつくり,各ゼミの”らしさ”がある地点を,巡検の行先を含めてすべて受講生に検討してもらいます.着任1年目での初の試みです.密避けもあり,受講生を二手に分けて実施しました.数多の行先候補地が出るも,前半組は自由が丘~二子玉川周辺と佃島,後半組は立場~横浜周辺が行先となりました.

 前半組は,緑道を歩きながら街路樹の樹種を調べたり,旧河道と現在の土地利用を現地で見たり,屋上緑化の現場を見たり,用途地域等に基づく街の外観や歴史を現地で調べました.後半組は,下調べ中に見つけた深谷通信所跡を訪ねたり,丘陵地の開発に伴う地形改変の様子を見たり,屋上緑化の現場を見たり(ver.2),用途地域等に基づく街の外観や観光業とまちづくり等について歩いて見て回りました.
 ただ読図するだけではなく,実際の現場に足を運んでこその情報を得てほしい,そして次なる読図に必要なデータは何かを考えてほしい,というのがこの実習の狙いでした.1日あたり25,000歩の日帰り踏査を経た皆さんのレポートがとても楽しみです

後日談:翌日に筋肉痛を訴えていた学生がいましたが,同行した教員は無傷でした(一安心).当たり前ですが両日同行した教員は5万歩を超えていたわけで.20代頭にもまだ勝てる!などと思ったかも,思わなかったかも.

後半組の様子@横浜 MARK IS付近にて.おしゃれ空間に目移りすることなく?緑化された屋上を目指して.
後半組の様子@横浜 MARK IS付近にて.おしゃれ空間に目移りすることなく?緑化された屋上を目指して.

★「現地研究」のために 2022.11

 

 とてもありがたいことに,この個人サイトにアクセスしてくださっている学生さんもいるということで,あまり詳細は書けないながらも写真見せたさ?に小さくご報告を…
 「現地研究」という3日間フィールドワークの授業を来る冬に担当することになっています.ある程度は勝手知ったる場所,とはいえ改めて下見に行ってきました.秋真っ盛りの秋吉台はなかなか感動的だったのですが,考えてみればこれまでにカルスト台地を訪ねる時期はほとんど盆か正月だったわけで,人生初めての光景を目にしました.※楽しむだけではなく,きちんと下見はこなしました.
 「冬か…寒そうだな…」と思いつつ,テーマに沿った充実した3日間になるよう,少しずつ準備を進めています.

ススキの白波が見事だった秋吉台.冬にはどのような姿を見せるか…
(答えは学生さんと一緒に)


中央新幹線(リニア)の工事が進む橋本駅南口にて
(学部生の頃の巡検で見たArio(写真奥)の工事風景もよく覚えています)

 

 


★酒匂川調査 2022.10

 

 研究室の後輩にあたる学生さんの調査に同行して,酒匂川流域を訪ねました.初日は曇りと少雨を繰り返し(紙が濡れる!),2日目はやや汗ばむ(日焼け!)という天候でしたが,それでもだいぶ河原で過ごしやすい頃になったなと実感しました.

 酒匂川は凝灰岩,石英閃緑岩,安山岩に富み,河原は全体的に緑色に見えます(碧色でもよいかも).川遊びしていた小学生が調査中に寄ってきたとき,「お,石のことを聞きにきたのか」と待ち構え,「これの名前分かりますか」と見せられた手の平に乗っていたのは,石ではなくカニのはさみでした(カニの名前はよくわからないのだよ,少年…)

 宇津川も子どもたちもそれぞれの着眼点で川を楽しみました.

東名高速道路を見上げてみたら(酒匂川支流の皆瀬川の谷です)
左2本が下り線,右1本が上り線

何てことない街の風景写真ですが,
どこに行ってきたのかがよくわかる一枚だな,と気に入りました.
(ここから四国のどこにでも行けそうな気すらします)

フィールドワーク中の恰好(服装や用具等)は本当に人それぞれ.
そういう面でも新鮮で発見と出逢いがあります.

国際連合ジュネーヴ事務局前にて.
プールまで行けずとも,街中で気軽に水に触れられたらいいのに…と思った時にふと思い出した一枚(2014年8月撮影)

名取川の共同研究は堤外地(堤防より内側=流路側)の利用について

考える大きなきっかけとなりました(畑の広がる名取川右岸にて)

御堂筋線から淀川の写真を撮りたかったのにカメラが準備できず…
やや仕方なしに,上の写真は2019年の学会参加時の宿泊先から.

全然すごさがわからない写真です.無念…
絶景はこちら(←青森県観光情報サイト)

ボナソワードタワー26Fからの眺望.
桜も残っていてよかったです.また晴れの日を狙って撮影したいです

毎年撮影していた構内のハクモクレンは連休中に散ってしまいました…


たまたま居合わせて,いただいてしまったお蕎麦.
ざるでいただいてみましたが,なかなか美味でした.
茨城大学農学部に拍手.


★春:集中講義 2022.2

 

 夏に引き続き,恩師の代講ということで,某D大で「地学」の集中講義を担当してきました.受講生の数も限られていることもあり,幸いにも対面で授業を行うことができました.対策をいろいろしつつ,持参した砂礫サンプルも見せられたことは個人的にはよかったです.

 教職課程で必要とはいえ,普段興味関心のなかなか持てない内容に長時間晒されるのは大変ですし,かなりの集中力を要します.暗記科目のイメージもつきやすい「地学」ですが,中身をまるごと覚えるよりも,今の自分の生活がどのようにして成り立ったのか,今後どうなるのかという(なかなか壮大な)歴史の流れを感じてもらいつつ,災害や地質などの観点から,自分の生活圏に何かしら結び付けてもらうことができたならよいな,と願います.

 夏の「地学実験」のときもそうですが,改めて大学生(という社会人一歩手前の時期)に「地学」という学問を教える意義とやりがいを感じられたように思います.……いや,大学生だけではなくやはり小・中・高にも出前がしたくなっています.礫コレクションを持って……


荒川大模型:秩父盆地のあたり(写真奥側がほぼ北方向).
今年度の自然計測実習でも是非行きたかったあたり…